基本再生産数と集団免疫閾値の関係をグラフ化してみた(感染症についてにわか勉強)

集団免疫獲得のために必要な免疫保有者の割合を集団を集団免疫閾値(HIT)といい、1から基本再生産数(R0)の逆数を引くという簡単な式に表される。

HIT(%)=(1-1/R0)*100

新型コロナウイルスの基本再生産数はWHOの推定で1.4~2.5となっているので、集団免疫閾値は28.6%~60%ということになる。
WHOが1月の段階(まだ中国だけでそれほど深刻な状況ではなかった)で、良くて全世界の1/3、悪くて2/3が感染するといっていたが、こういうことだったのかと理解した。

現状の日本では自粛が効いており政府の専門家会議によるとR0=1.0近くにあるということらしい。R0=1だとグラフからもわかるようにHITは0であり、すでに集団免疫は獲得された状態にある。ただ、世界はつながっているので全世界の感染者を0までもっていかないうちに生活をもとに戻せば、R0=1.4以上の状態に戻ってしまうため、また感染者が増大していくことになる。

日本が休校、自粛要請などで進めるピークカット戦略というのは、R0の数値を下げることを意味している。これによりピークを後ろにずらして山の高さを下げることができるし、総感染者数も減らすことができる。(そのかわり収束までの時間は長くかかってしまう)

イギリスの集団免疫戦略が非難を浴びて撤回されたようだが、日本のピークカット戦略というのは集団免疫戦略と同じこと。

ことここに至っては世界レベルでの封じ込めは到底無理な話で、ウイルス自体の特性(ウイルスと人間が共存したときの自然現象)なので、全世界が集団免疫を獲得する(つまり均一化する)まで感染は進むと考えられる。

(2020/03/18記)

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