基本的に美術で感動することがない。へぇーすごいなあ、と思うものはあるが、いい音楽を聴いたときの背筋がゾクッとするような感動というのはない。(音楽に関しては感動というより官能(快感)に近い)
おそらく美術への感受性がないのだろう。
数少ない美術で感動したのが荒川修作。
もう30年近く前になると思うが、名古屋の松坂屋美術館でやっていた荒川修作展にいった。
いくつか体感型オブジェがあったが、そのなかで、非常に印象に残ったものがあった。
20枚ぐらいの切り込みの入ったラバーの垂れ幕のあいだを突っ切っていくというもの。しかも真っ暗で下場はデコボコで不安定。足元はよたるは、ラバーは顔にムチャーっとからみついてくるはで、なんじゃこれは!?と思うと同時に大爆笑した。
ぼくにとって、こんなに面白かった美術展?は後にも先にもこれしかない。
(2020/09/25記)