都市ゴミ焼却炉の耐火物の耐用性から考えるゴミの分別~アルミは耐火物に悪さをする

都市ゴミ焼却炉ではゴミを分別をしていわゆる「燃えるゴミ」を処理するわけだが、実際には分別はしっかりとはできていないため、「資源ゴミ」も混ざってくる。

その中で、耐火材の耐用性を考えた場合に、悪さをするのがアルミで、アルミが溶融(アルミの融点は700℃程度なので焼却炉の温度で溶けてしまう)して、耐火物に浸透して剥離・減肉を引き起こす。

それに対して、鉄は、焼却炉の温度では溶けないので、下から不燃物として回収されるだけで、耐火物にはなんら影響がない。

プラスチック類は、燃えれば、最終的には水蒸気と炭酸ガスに分解するだけなので、直接的な損傷はないが、燃焼カロリーが大きいので炉の温度が高くなり、それが耐火物の損傷を早めるということはある。

まとめると、アルミは影響が大きく、鉄は影響がなく、プラスチック類は直接的な影響はないが、温度を上げることで損傷を早める。プラスチック類は燃料(自然式)と考えれば、燃料代の節約になるという考え方もできる。(運転員からすると温度コントロールが難しいか?)

ということで、できるだけ燃えるゴミの中にはアルミ缶とかアルミ箔とかのアルミを入れないようにしたほうがいい。あと、アルミはリサイクル効率が非常にいいので、その意味でも分別したほうがいい。

(2021/03/26記)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする