ボーカルだけではなくバックバンドのサウンドまでもがとってもシルキー。そして、ジェームズ・ジェマーソンのベースラインの滑らかさ。
相当の数の楽器を重ねているが、決して厚くなり過ぎない。緻密にサウンドがつくりこまれている。16ビートとメジャーセブンスな和声感覚の導入で、この柔らかくて繊細なサウンドが可能になったと思われる。
マーヴィン、豆腐はきっと絹ごしが好きだったと思う。(スライは木綿が好きだったはず)
豆腐の話は置いといてこのアルバム、M1「What’s Going On」からM6「Mercy Mercy Me」までの流れが好き。特にM4の後半からM5に至るところがいい。
サウンドで気づいたことを列記すると
- チェレスタ(鉄琴?)の使用。
- パーカッションがドラムと同じぐらいの価値であつかわれている。
- ストリングスがホーンより重要視されている。(ホーンはバッキングとしてよりもソロ楽器としてあつかわれている)
- コーラスとストリングスのユニゾン重ねアレンジ。宇宙的な広がりを感じる。
ところで、ピチカート・ファイヴの名盤『ベリッシマ』のM1「惑星」は『What’s Goning On』を意識してつくったと思われる。
チェレスタ使用、コーラス&ストリングスのユニゾンアレンジなどなど。スネアのリバーブのかかり具合までそっくりだ。
(2020/02/11記)