音楽とは心細いもの

音楽って音だから実態は経時的な空気の密度変化(空気振動)でしかない。目に見えるもの(美術)でもないし意味があるもの(文学)でもない。その意味でものすごく心細いものだと思う。

心細いから、音とは関係ない目に見えるもの(ヴィジュアル)とか意味(歌詞)を付随させるが、音楽の快感とはなんの関係もない。ぼくはむしろ不純物でしかないと思っている。

人間は日常において意味の中で思い悩むわけだが、そのカウンターとして無意味な空気振動があるのではないか。少なくともぼくは、無意味な空気振動に救われる。

数ある芸術の中で無意味に気持ちいいのは音楽だけだ。

(2019/06/19記)

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