耐火物は天然原料を多く使うため、多成分系で、複雑すぎて、なにが影響しているのか特定しにくい。理論はあってないようなものなので、技術屋それぞれが、それぞれの経験則に基づいてやっているのが実情。
そんな世界なので、頭の良し悪しよりも、ああでもないこうでもないと試行錯誤するのを厭わない好奇心のあるひとが向いている。
メインユーザーが鉄鋼という基幹産業で、伸びも期待できないが、なくなることもないので、業容は安定している。
大きな技術革新もないが、これは裏返すと、技術が古びない。蓄積が生かされるともいえる。(ベテランにとっていい環境)
わたくしもこの業界に21年いたが、若いころに学んだ耐火物に関する知識は、最後まで古びなかった。
まったく派手さもなく、わざわざ耐火物業界を考える就活生は少ないとは思うが、意外な穴場ではないかと思う。
そうはいっても、ブラックな会社の話もチラホラ聞くので、そこだけは慎重に排除したほうがいい。
(2019/11/28記)