追悼・マッコイ・タイナー

マッコイは60年代前半のImpulse!時代が好きだ。バップから脱却しつつもエヴァンスとも違う。大変なスタイリストだった。

一般的な人気・評価という面では、エヴァンスが圧倒的だが、並び称されていいように思う。

マッコイの代名詞、4度重ねだが、(そのままずばりの「Reaching Fourth」というアルバムもある)60年代前半においては、まだ3度重ね(一般的な和声)と4度重ねを慎重に組み合わせてヴォイシングしており、そこに高いセンスが感じられる。

コルトレーンの御導きがあってのマッコイということなんだろうけど、コルトレーンが60年代半ばに重厚長大化していくと、それに合わせて、左手:4度重ね、右手:ペンタトニック、といういわゆる「真っ濃い」スタイルに変わってしまう。
コルトレーンが勝手にフリー化していくので、やけくそになっていたのかもしれない。

好きなアルバムを挙げると次の3枚になる。1作目から3作目と初期に集中している。

  • 『インセプション』 – Inception(Impulse!)1962年
  • 『リーチング・フォース』 – Reaching Fourth(1962年録音)(Impulse!)1963年
  • 『バラードとブルースの夜』 – Nights Of Ballads And Blues(1963年録音)(Impulse!)1963年

(2020/03/07記)

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