中島らも、「絶望手帖」という古今東西の名言集的な本から引用。
ただ、こうして生きてきてみるとわかるのだが、めったにはない、何十年に一回くらいしかないかもしれないが、「生きていてよかった」と思う夜がある。一度でもそういうことがあれば、その思いだけあれば、あとはゴミクズみたいな日々であっても生きていける。
これはよくわかる。
『男はつらいよ』の第三十九作目で、寅さんも満男に似たようなことを言っている。
満男
「人間は何のために生きてんのかな」
寅さん
「難しいこと聞くな、お前は・・・何と言うかな、あー生まれてきてよかった。そう思うことが何べんかあるだろう。人間そのために生きてんじゃねえのかな」
いずれにしても、一生のうちに数回というところか。まあ、そんなものだろう。
(2019/10/07記)